≪浄蓮寺渓谷と三十三観音≫
■「浄蓮寺」の東側を流れる花園川の中流部に位置する渓谷が浄蓮寺渓谷とよばれて
いる。
■散策路からは、暖帯シダ類や三十三体の磨崖仏(三十三観音)が眺められる。川辺は、大小の岩により流
れに緩急がつけられ、いくつかの滝となっている。春の新緑、秋の紅葉と目を楽しませてくれる。
■三十三観音は、渓谷の西岸にあり、浄蓮寺の右奥から彫られ、一周する形で散策路にもなっている。
■渓流に面した深い林の斜面に露出した花崗岩に刻まれた観音像は、聖・十一面・馬頭・如意輪・千手観音
などで、これらの中に地蔵菩薩が一体だけある。
■三十三観音は、観世音菩薩が人々を救うために、この世に三十三の姿で現れるという「観音三十三身説」か
ら生まれたもので,天台宗の聖域に三十三の霊場を設け、同じ場所で数多くの観音像を拝むことにより、多く
の人々に観音の功徳を得させようとするもの、といわれている。
■製作者や制作年代も不明であるが、江戸時代の初期と思われる。自然石に刻まれた石仏群は、山岳信仰と
観音信仰の史跡として貴重である。 |